バラの季節です。神戸のバラ園に行ってきました。
神戸市のバラ栽培は歴史が古く、松方コレクションで有名な松方氏(1865年-1950年、川崎造船所初代社長)が直接海外から輸入され栽培されていたということです。相楽園の近くに松方氏宅を構え、鈴木商店金子直吉とも交流があったようです。
戦後、全国にバラブームが起こり、各都市にバラ会が誕生。神戸市には昭和27年から大丸神戸店でバラ展が開催され、昭和29年に神戸バラ会が結成されました。神戸バラ会の働きかけで昭和36年に県庁前に山手街園(通称・山手バラ園)が、昭和38年には本山バラ園が建設され、その後各地に広がっていきました。昭和54年には神戸バラ会は解散、神戸市に引き継がれました。翌年(昭和55年)に須磨離宮公園に記念バラ園が造成されました。バラの選定に関わった藤岡氏(日本初の園芸コンサルタント)は平成17年に当時の 『神戸っ子』の編集長、小泉美喜子さんから「ぜひ、’KOBE ROSE’を作りなさい!」と言われて、「神戸らしいバラ」を作ることにしたそうです。
そうして、須磨離宮公園開園50周年を記念して、神戸のオリジナルローズ「茜離宮」が藤岡氏から寄贈されました。
■須磨離宮公園バラ園
皇室の別邸「武庫離宮」が大正3年(1914年)に完成、その後神戸市が譲受て須磨離宮公園として昭和42年(1967年)に開園。その中に「王侯貴族のバラ園」が昭和55年(1980年)に完成しました。
神戸オリジナルのバラ「茜離宮」は深紅の大輪で藤岡氏の10年の試行錯誤から生まれたようです。新しいバラは親のバラの種子の交配から始めるようですが、良い性質は大半が劣性遺伝で思い通りの良い花が生まれる確率は1600分の1とされているようです。「茜離宮」は「シェア・ブリス」と「鶴見’90」の交配したものに無名の実生を掛け合わせて生まれた、と説明に書かれています。
須磨離宮は皇室の別邸であったことからか、天皇家の人々に送られたバラの種類が多いことにびっくりです。プリンセス・チチブ、プリンセス・アイコ、プリンセス・ミチコ、エンプレス・ミチコ、ハイネス愛、マサコ、プリンセス・ナガコ、などきりがないです。
世界の王妃に送られたバラもたくさんありました。
「王侯貴族のバラ園」には54種1400株のバラが育てられ、5月-7月、10月-11月に楽しむことができます。
『バラの花ことばは「愛」。気高く、華麗で、優雅なバラ。バラを見つめるとき、私たちは愛に満たされた人生に望みを抱き、すばらしい人生を送ったあこがれの人に自らを重ね合わせるのです。』(園内の説明より)
■RIC Rose Garden
5/11-5/26第13回六甲アイランドバラ祭りを開催しています。2012年に第1回六甲アイランドバラ祭りを行ってから毎年行われているようです。
このバラ園は住民の育成ボランティアで運営されているのが特徴です。自治会が声をかけてローズガーデンファミリーと呼ばれる人たちが毎週集まって世話をしています。現在は約40名だそうです。初めは神戸国際大学白砂教授の設計で始まったようで、バラの剪定はプロの指導(松尾園芸松尾社長)で行われています。また、無農薬を特徴にしています。
ローメンテナンスで栽培できるシュラブローズやつるバラポリアンサを選定されて、住民が運営出来る様に工夫されています。
■本山バラ園
昭和38年に神戸バラ会により建設された由緒あるバラ園です。約30品種、300株で都会のオアシスのような存在です。知る人ぞ知るナカムラチョコレートがすぐ隣にあり、ショコラティエール中村有希の感性が隅々までいき渡ったショコラブティックです。ソフトクリームをテイクアウトして、食べながらバラを鑑賞するのも良いものです。
いいね。やっぱり神戸が好き。
もっとKOBE ずっとKOBE
ではまた次回をお楽しみに♠️