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「和悦相楽」(わしてよろこびあいたのしむ) とは

 一粒で二度おいしいというのは、こういうことを言うのかもしれない。JR元町駅北西の住宅街のど真ん中にある庭園と異人館。敷地面積は 19,566㎡ (甲子園のグラウンド部分の面積は 13,000㎡) とかなり広い。「和悦相楽」(わしてよろこびあいたのしむ) から「相楽園」と名付けられて一般公開されている。

 

すぐ向こうにビルが見える。街のど真ん中なのだ
とにかく広い庭だ

 

門をくぐると、蘇鉄園や、りっぱな大クスノキがある。(どちらも樹齢は数百年という)

クスノキは樹齢500年と言われている

 

しばらく行くと庭園入り口があり、そこをくぐると住宅街とは全く別の世界が広がる。

庭園入口は小さいが中は広大だ

 

池泉回遊式 (ちせんかいゆうしき) と言われる庭園は、その名のとおり、飛び石や石橋を渡ったりしながら、庭園をグルッとひと回りできる庭園。途中には滝や小川や色んな種類の灯籠があり庭を形作っている。大きな池には鯉が泳いでいるところも見ることができる。

庭の中を歩き回れるのがいい
「和」を満喫できる空間だ

 

こういう庭園に居ると心落ち着くもので、やっぱり日本人なんだとあらためて思う。「和悦相楽」のとおり「和」を満喫できる空間である。写真が趣味の人にぜひはおすすめしたい。

庭園内には菊の展示があった。子供の頃には「菊人形」とかがあったように覚えている。また、船屋形が池の中央付近にせり出して置かれている。江戸時代に遊覧に使われていた屋形船の屋形部分だけを持ってきたもので、重要文化財となっている。これが上手く池の風景に調和している。

川御座船(かわござぶね)の屋形部分だけを移設。ここにしかないそうだ

 

一粒で二度おいしいこの相楽園には、もう一つの楽しみがある。それが「旧ハッサム邸」と言われる異人館である。元々は北野の異人館街にあったものを移設されたとのこと。邸内は公開されていて撮影も可。間取りは典型的な洋館の間取りで、正面中央に玄関を配し、廊下階段を中心にその両側に居室がある。

明治35年頃に建築。昭和38年に移設。これも重要文化財
フローリングの貼り方に特徴がある

 

玄関を入ったところの階段は見栄えも大切なところなのか、階段裏には見事な細工が施されている。異人館は階段の造作が凝っているものが多い。

階下から上の階が見えないように作られている

 

異人館の特徴的な間取りとして、裏には使用人の居室があり、渡り廊下でつながっている。コロニアルスタイルと言われている。相楽園に移設後も忠実に再現されている。

裏の建物から渡り廊下を使って食事を運んだりしていた

 

阪神淡路大震災で屋根の煙突が1階まで落ちてきたらしく、それが邸前の庭に記念のように置かれている。

今はきちんと屋根の上に復元されている

 

紹介してきたこの広大な庭園がまるでハッサム邸の庭のように思えるが、実は小寺さん家の庭なのである。その小寺さん家の厩舎(牛や馬などの家畜を飼っておくところ)がハッサム邸の横に残っている。

こちらも重要文化財

 

「和悦相楽」の「和」は、和と洋の調和の「和」と解釈してもいいかもしれないと思うぐらい和洋が上手く融合された「相楽園」でした。こんな場所が神戸のど真ん中にあるなんてね。

 

いいね。やっぱり神戸が好き。

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ではまた次回をお楽しみに ♣