JAZZ喫茶「木馬」のマスター、小西武志さんに神戸に対する思いを聞きました。「加古川生まれで生粋の神戸っこじゃないんだけど、、、」で始まりました。
■木馬と神戸
1977年に三ノ宮センター街に初代「木馬」を開業して以来、46年間、音楽を通じて神戸の人に木馬を好きになってもらうことを考えてきた。
明治から大正にかけて外国人居留地として発展した神戸はJAZZの発祥の地、映画の発祥の地などと数々の新しい文化を吸収し、どの時代においても垢抜けた、ファッショナブルなまちを醸し出した。そんなまちだからこそ、木馬らしさ、オリジナリティーが受け入れられてきた思う。有難いことだ。
■開店当時
77年から5、6年の間は、店のスタッフとサテンドールやソネをめぐり、もっとも神戸らしさを感じた。インド人が北野で貿易の仕事を営んでおり、彼らの異人館を訪ねてだべったりしたものだ。外国人が居て、異人館があるまち、地域が外国人に依存して魅力を出していた。それが北野の魅力、異人館の魅力であった。
■困難な時代に突入
1ドル360円の時代から変動相場制に移行して、1ドル100円を切った時には、もう商売は無理だよ、と外国人が離れて行った。それに伴いアティック調の店やバーが減った。さらに阪神大震災が追い討ちをかけて活気がなくなっていった。
それでも、神戸の良さ、山あり、海ありは残り、垢抜けた雰囲気、ファッショナブルなまちは続いた。
■時代の変化
レコードの値段は昔から1枚2500円であまり変わっていない。昔は高価であり、レコードの所有枚数で店の格が決まった。それがCDに変わり、ウオークマンが出現して歩きながら音楽が聴けるようになり、インターネットの出現が革新をもたらした。
スマホやSNSが広がり、うわべの情報伝達スピードが大幅に速くなった。店の行列の写真を見て行列に並ぶような行動が普通になり、良いもの、美味しいものを自分で感じて伝えていくことをやらない時代になっている。
■かたくなに店のカラーにこだわる
選択肢はずいぶん増えたが、木馬の本質は変わらない。時代によって変わるところは変わりながら、本質を維持して行くことは大変難しい。木馬では観光客の外国人を対象にするのではなく、日常を大事にしたい。
これからの若い人の役割は神戸の大事なところを認識して、人づてに伝えて、本質を維持しながら変化していくことだと思う。
神戸でも震災後の復興が終わり、港、三ノ宮、高架下の再開発、県庁建て直しと、新たにまちの再開発が計画されている。
鯉川筋や県庁は変わって行く中で、トアーロードはおいてきぼりになりそうだ。北野や異人館が活性化すれば、上から下へ風が人を運んでくるように思う。
JAZZ喫茶「木馬」での素敵なマスターとの対談でした。
いいね。やっぱり神戸が好き。
もっとKOBE ずっとKOBE
ではまた次回をお楽しみに♠️