もっと KOBE ずっと KOBE

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ラジオ事情@KOBE

この2月からいくつかのAMラジオ放送事業者が試験的に AM放送を休止する。AM放送の経営難という背景の中で、AM放送をやめたときに社会的な影響がどの程度あるのかという社会実験みたいなものである。今、ラジオはどのぐらいの人に聞かれているのだろう。新型コロナの影響で、在宅時間が増えたことにより、ラジオリスナーが少し増えたという話も聞く。radikoという便利なアプリもあるのだが、電波を受信するラジオ放送という原点の形は、災害時にとても重要な役割を果たすということも忘れてはならない。今回はラジオ放送と神戸の放送局の事情や状況について書いてみたい。

 

中学の頃からの愛用のラジオとラジオ雑誌の今昔

 

まず最初はラジオ関西。どこのラジオネットワークにも属さない独立放送局という数少ない放送局。本社はハーバーランドの神戸情報文化ビルにある。以前は「さんちかサテライトスタジオ」を持っていた。あれが無くなったのは残念だった。今は、本社があるビルに「スタジオサルパ(101スタジオ)」がある。7Fにはスタジオが4つほどあるらしい。

デイリースポーツや神戸新聞も同じビルに入っている

ラジオ関西(「AM KOBE」という呼称もある)は、AM波で 558kHz、FM波で 91.1MHz で放送されている。この FM波での放送というのは、FM補完放送というもので、大規模な送信設備が要る AM波放送よりも小規模な中継局で済む FM放送に置き換えようという全国的な取り組みだ。じゃぁ全部FM補完放送に切り替えればいいんじゃないかというと、そうでもない。FM波は地上波といって届く範囲が限られている。それに較べて AM波は上空にある電離層というところに反射して遠くまで届く。つまり広い範囲をカバーできる。これは災害時にはポイントが高い。災害と言えば、阪神淡路大震災のときには、ラジオ関西も被災したにもかかわらず、震災直後から3日間ぐらいCM無しで、被災者にとって価値のある情報を流し続けていた記憶がある。

 

次は Kiss FM KOBE。実はこの名前は愛称で兵庫エフエム放送株式会社が正式名称となる。もう少し突っ込んだ話をすると Kiss FM KOBE が経営難に陥ったときに兵庫エフエム株式会社に事業譲渡したということ。Kiss FM KOBE も独立局として独自の番組を発信していた。ハーバーランドにマリスタというサテライトスタジオがあって、そこからの生放送もあった。これが無くなったのも残念だ。今は、中突堤ターミナルビルの2階に本社とスタジオがある。

海のすぐそばの放送局です

Kiss FM KOBE阪神淡路大震災のときには活躍した。在日の外国人のために各国語で被災地情報を流していたことを覚えている。きっと助かった人はいたはずだ。

 

もう一つ、元町の花隈に FM MOOV がある。76.1MHz で発信している。阪神淡路大震災の2年後の1997年の開局だ。ローカル色のある自社制作番組も発信している。

これといった画像がなくてすいません。
昔のラジオ少年は応援しています

 

大きな震災を経験しているだけに、地域のラジオ放送局の意義や役割は大きいと感じている。TVやネットをメディアとして否定するつもりは全くないが、阪神淡路大震災のときにTVが流す映像はやはり「衝撃の映像」が中心になりがちだった。被災した我々がそのときに必要だった「どこで水が汲める」とか「どこで配給がある」とかいう情報は地場のラジオ局が頼りだったことを覚えている。今年の能登地震では【拡散希望】と書かれたデマの投稿がかなりの数閲覧されている。ネットは即時性はあっても放送事業者によって選別された「確かな情報」ではないというリスクも露見した。神戸にまた大きな災害が来ないとは限らない。電波を受信するラジオ放送は、どんな形でもいいので残ってほしいと思う。神戸の放送局頑張って!

 

いいね。やっぱり神戸が好き。

もっと KOBE ずっと KOBE

ではまた次回をお楽しみに ♣