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阪神間モダニズムの贅を尽くした建物と庭「白鶴美術館」

白鶴美術館90周年記念展を訪問してきました。

白鶴美術館の創設者七代目嘉納治兵衛(かのうじへい)は嘉納財閥(かのうざいばつ)の中の一人で、嘉納財閥は本嘉納(ほんかのう)と分家の白嘉納(はくかのう)から成っています。本嘉納は1660年に醸造を始め、後に菊正宗酒造に改名し、白嘉納は1743年に醸造を始め、後に白鶴酒造になります。白嘉納の7代目嘉納治兵衛が昭和9年(1934年)に私設美術館として白鶴美術館を開館しました。7代目嘉納治兵衛は婿養子で奈良興福寺の執事を務めた中村家出身です。酒造業の成功と並行して古美術品をコレクションをしており、その展示のために美術館を建設しました。

建物の設計施工は竹中工務店、設計は堂島ビルヂングなどを設計した鷲尾九郎氏です。旧乾邸のすぐ近くにあり昭和初期の贅を尽くされた建物と庭で阪神間モダニズムをなしています。

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白鶴美術館はJR住吉駅から北へ徒歩25分ぐらいの山手に位置して、住吉川西岸の見晴らしの良い静かなところです。

住吉川

立派な石垣に囲まれ、石造の入り口を入ると正面に「天壌無窮」(てんじょうむきゅう)の石碑が堂々と立っています。調べてみると、日本書紀からきた言葉で、天地と共に永遠に続くという意味です。

大きな御影石に囲まれた屋敷

建物の前には前庭があり、ツツジと白い花が綺麗。

前庭と正面玄関

正面玄関を通り抜けて中庭に入ると明るい静かな空間が広がります。

中庭から見た本館建物

の中央に青銅の大きな灯籠があり、東大寺大仏殿の前にある東大寺金銅製八角灯籠から型をとった完全なレプリカです。当時、嘉納治兵衛が東大寺管主と仲が良く実現したらしいです。

東大寺八角灯籠のレプリカですが存在感があります

庭園は池泉回遊式庭園といい、裏の滝から水が流れ、池にきれいな水が流れて大きな鯉が数匹優雅に泳いでいました。人がほとんどいなかったので、このきれいな庭を占有できて心やすらかな時間を過ごすことができました。新緑がとてもきれいで清々しい気持ちになりました。きっと秋の紅葉も素晴らしいと思います。

新緑の中を滝から水が引かれている
きれいな水が小川を経て鯉のいる池へ流れこむ
新緑に包まれた本館

建物の中に入り、ゆったりとした廊下を通って展示室に向かいます。天井の照明には白鶴に相応しい鶴をモチーフにしたデザインが施されています。

長い廊下を通って展示場へ

一階の展示室は中国の青銅器が展示され、2階には青銅の鏡、陶器、などが展示されていました。階段はシンプルながらも装飾に特徴があり、昭和初期の阪神モダニズムを感じます。

阪神間モダニズムを感じさせる椅子や階段
2階展示場入り口とユニークな照明

展示物は写真撮影が禁止されているため白鶴美術館のHPを載せておきます。

www.hakutsuru-museum.org

国宝2件、重要文化財22件を含む1450点の作品を所蔵、そのうち今回は34点の中国の青銅器、鏡、陶器と別館で20点のペルシア絨毯が展示されていました。青銅器には象や架空の動物が多数描かれ、よく観ていると楽しくなります。ペルシア絨毯も草花や動物が細かく編み込まれその繊細さに驚きます。

 

いいね。やっぱり神戸が好き。

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ではまた次回をお楽しみに♠️