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竹中大工道具資料館で、大工道具の縄文時代から現代に至る日本建築の歴史に触れる

新神戸駅のすぐ東隣のある、竹中大工道具資料館へ行ってきました。

ここには、縄文時代からの大工道具が展示されていて

大工道具の進化の過程や

道具の作り手・名工の作品やその人物の紹介までされています。

 

縄文時代石器時代

大工道具も、石斧がメインです。

縄文時代の石斧

石斧なので、木を切り倒すには

木の繊維を叩き壊して切り倒していたようです。

もの凄い体力ですね!

 

以前訪れたことのある

三内丸山古墳の高い櫓や竪穴式住居の木材なども

みんな、この方法で切り倒して作っていたのか…と思うと

縄文人の苦労がしのばれます。

 

三内丸山古墳

遺跡から出土した木柱

 

弥生時代の入ると鉄器が出てきます。

弥生時代の鉄製斧

この後、

大工道具と建築技術は目覚ましい進歩を遂げます。

世界最古の木造建築として有名な法隆寺

ここでは、実寸の1/20の模型が展示されていました。

 

そして、古くからの大工道具一式も見る事が出来ます。

 

また、建築に用いる色々な種類の木材が展示されており

それらを鉋で削った削りカスの香りを体験できます

 

 

それぞれが、蓋つきアクリルケースに入っていて

蓋を開けて香りを嗅ぐ事が出来ます。

木の良い香りに癒され、チョットした森林浴気分が味わえます。

 

また、今では寺院など国宝級の修復を手掛ける

宮大工しか使わないような

釿(ちょうな)や槍鉋(やりがんな)で

削った木材と削りカスも展示されていました。

釿で削った面と削りカス

釿は、木材の表面を斫って使うので木片も平べったい状態になっています。

槍鉋で削った表面と削りカス

槍鉋は、刃の形が柳の葉のように細長い流線形をしているので

木材の表面を薄く細く削るので

静かな湖面の波を思わせるような仕上がりですね。

削りカスもクルクルと巻いています。

 

 

こうした、よく切れたり削れたりする刃物を作るのが

鍛冶職人です。

とくに有名なのが、「千代鶴是秀」という人だそうです。

 

 

如何にも、職人!という素敵な面構えですね。

彼の作った作品は…

 

もうこれは

刀と同じくらいの気品を感じるモノです。

道具でなく芸術品のような、職人魂が伝わってくる作品です。

命名も風流…

 

 

また、ここでは日本建築の技を見たり、手にしたり出来ます。

 

なんといっても、日本建築で自慢できるのが「組手」です。

ここでは、唐招提寺の軒の部分の組手が再現されています。

唐招提寺、軒の組手

もう、感動です!

平成の大修理で10年かけて

金堂を解体し組み立て直した記録を、固唾を飲んで見守っていた私は

こんな間近で組手が見られることに、感無量!

今もその時の放送を、録画保存しています。

また見直したくなりました。

 

そして、もう一つ

日本建築で自慢できるのが、「継手」技法です。

釘を一本も使わずに、木と木を・柱と柱を繋ぎ合わせる技法は

複雑なパズル! 知恵の輪!

 

それを実際に手に取って、

分解したり繋ぎ合わせたりの、体験が出来るのです。

継手体験

継ぎ合わせたら、もうビクともしない頑丈さ!

この技術が、

地震にも耐える頑丈な建物の、縁の下の力持ちになっているのですね。

納得!です。

 

そして、面白かったのが「墨壺」です。

このデザインが個性的で、とても凝ったものが多くて…

これは、棟梁のステイタスが掛かっているのかな?(笑)と感じました。

墨壺

とてもオシャレです。

 

 

他にも、

ここには書き尽くせない量の展示があります。

 

海外の大工道具

上棟式に用いられる、衣装や儀式用の大工セット…等々

 

是非一度、夏休みの間に足を運んでみてください。

 

 

いいね。やっぱり神戸が好き

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ではまた次回をお楽しみに♥

 

 

【追記】

どうして、この竹中大工道具館

神戸の地に建てられたのかが不思議で、調べてみたら

竹中工務店は1610年江戸時代初期に名古屋の地で

初代・竹中藤兵衛正高が神社仏閣の建設をしたことが始まりだそうです。

(中略)

1899年(明治32)14代・竹中藤右衛門が神戸に進出し、創立第1年とする

1909年(明治42)合名会社 竹中工務店を設立 神戸を本店・名古屋を支店とする

 

そういう所縁があって

神戸の地に建てたのかな?と勝手に解釈して納得しました。

違っていたら、ゴメンなさい!

 

それにしても、歴史のある工務店だったのですね。

驚きました。