ちょっと前から、レコードの人気が復活してきている。ミュージシャンもニューアルバムをレコードでも出してきたりしている。とはいえ、巷に流通するのは圧倒的に中古のレコードが多い。東京や大阪には、タワーレコードやディスクユニオンなどの大手が中古レコードを大量に扱っているようだ。じゃぁ、神戸ではどうなんだろうか。今回は神戸のレコード事情を覗いてみようと思う。
まず、大手が大規模に店を展開しているような状況ではないようだ。昔からある中古レコード店、ブームになってから出てきた店。いくつかパターンがありそうだ。神戸市の中古レコード店をくまなく全部レポートするなんてことは無理なので、元町や三宮あたりのいくつかのお店を回ってみた。
まずは、元町通り商店街の4丁目あたりから南に少し折れたところにある「Wild Honey Pie」 店に入りきれないレコードが店の外に置いてあったりする。
レコードの量は多い。レコードでいっぱいの店内は、レコードの隙間をぬって歩くような感じ。ジャンルに特徴があって、主にロック中心。メジャーでないプログレを好きな人にとっては、ひょっとしたら掘り出し物に出会えるかもしれない。
次は「リズムボックス」 元町と三宮に店がある。かなり前からある店だと思う。ジャンルはバランスがいい感じ。ジャズは最近人気があるのか、メジャーなのは中々出てこない。CDも多いので、レコードに限らずという人にはおすすめか。買取りも積極的にやっている。
元町のリズムボックスの近くにもう一つ「ハックルベリー」という店がある。この店もかなり前からあると思う。この店も2階にある。店内は狭いがレコードとCDがびっしり詰まっている。レコードを探す人どうしがすれ違うのにはちょっと苦労するかも。ジャンルはロック、ジャズの洋モノが中心で「おっ」と思うプライスに出会うことも。
元町商店街1丁目の入り口のところのビルの「バナナレコード」は、ここ最近の出店。これは大手のチェーンだ。店はビルの4階にある。入り口もわかりにくいので、フラッと立ち寄る感じではないかな。店は決して広くはないが、上手にレコードを配置してあるので見やすい。ジャンルもバランスが取れている。大手のチェーンの良さかもしれない。ここには J-POP もそこそこある。
元町商店街南の中華街の南門から出て、信号を渡ってすぐのところにあるのが「KANKO-RECORD」 この付近は乙仲通りと呼ばれていて、昔の船具商会社や倉庫があったビルの中に個性的な店がいっぱいある。「KANKO-RECORD」もその一つ。ここは、最近出来たのかなぁ。ノーマークでした。2階に上がると木製の開き扉があり、昔ながらのレコード屋の雰囲気がGood. 店内は決して広くはないが、上手に配置されていて探しやすい感じ。個人的には、この店はちょっと注目しておきたい。
ジャズの名盤というのは中古市場には中々出てこないのだが、この店では、いくつか見受けられた。たまたまだったのかしれないが、私の好きな ECMレーベルのレコードもあった。プライスは変わると思うので、参考にこのぐらいという表現で紹介しておこう。
左の Miles Davis の「Kind of Blue」で 3,800円ぐらい。右の Chick Corea の「Return to forever」で 1,400円ぐらい。
ちなみにどこのお店でも、総じて国内ジャズ&フュージョンというジャンルは、とってもお値打ちなプライスで流通している。ちょっと寂しいか。。。
レコード店ではありませんが、元町商店街2丁目を北に上がったあたりにあるレコードBAR「BRAQUE」 5,000枚以上あるというレコード。半端やない。J-POP、AOR、昭和歌謡がたっぷり聴けますぞ。
そうそう、昭和歌謡と言えば、私が読者になっている rsoyokaze さんのブログが面白いので紹介しておく。
最後に、ラジオ事情@KOBE の記事でも紹介したラジオ関西の「10万枚のレコード物語」を紹介しておこう。ラジオ関西は、電リク(電話リクエスト)を受け付けて、大量のレコードで対応していた。持っているレコードの量は10万枚以上とのこと。阪神淡路大震災のときも被災した中から全部救出したという話。情熱を感じる。この本には、その中から抜粋された洋楽レコードにまつわる思い出がぎっしり詰まっている。「無人島に持って行くなら」というコーナーで色んな人が2枚をピックアップしている。それぞれに思いがあって面白い。
レコード文化。もう終わったコンテンツかなと思いきや、どっこい生きている。神戸の街のあちらこちらに。こういったモノは、大手の均質化された流通や商流に乗らなくてもいいだろう。個性豊かな店舗が、街に点在しているような形がいい。
いいね。やっぱり神戸が好き
もっと KOBE ずっと KOBE
ではまた次回をお楽しみに ♣