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古くて新しい「茅葺き」 ~淡河町を訪ねて~

神戸市の平成20年の調査で北区の茅葺きは約750棟あるようで、全国でも有数の地域だそうです。

「耐火性が不安」「葺替え費用が高価」と言う理由で年々減っているようですが、一方で「代々伝わったものを後世に残したい」「茅葺が気に入っている」という声もあり、神戸市も「茅葺きを中心とした『まち・こころ』づくり」事業を推進しています。期待したいと思います。

 

淡河町のとなりの山田町には国の重要文化財「箱木千年家」が保存されています。室町時代の有力者の住宅だそうで、ダム建設により旧所在地が水没するため1977年に現在地に移築されています。現存する民家建造物の中では日本最古のものです。

箱木千年家(神戸市HPより)

いくつかの茅葺き民家が神戸市指定景観資源として登録されています。淡河にはのんびりとした田園風景によく似合う茅葺き民家が何軒かあり、よく手入れされて美しさを感じます。

その一軒は淡河八幡神社の鎮守の森を通り過ぎて、なだらかな坂道に登ったところにあるY家住宅です。周囲には田圃が広がり、遠くの山まで見通すことができます。鎮守の森、田圃、茅葺き民家…日本の原風景を見ている様です。

日本の原風景を思わせるY家茅葺き民家

さらに、山陽自動車道を北に越えたところの北僧尾地区は小さな丘が広がった丘陵地帯で、その中にきちんと手入れされた茅葺きのY家住宅があります。辺りには見晴らしのいい集落景観があちこちに点在しています。幹線道路を車で通過するだけでは全く気づかないのどかな風景を身体に感じて、「ここも神戸なんだ!」と嬉しくなりました。

のどかな丘陵地帯にあるY家茅葺き民家

同じく北僧尾地区の厳島神社には日本最古と言われている農村歌舞伎舞台が残されています。訪問した日には舞台は閉められていましたが、きれいにメンテナンスされており、ここで農村歌舞伎が演じられるのを想像するとワクワクしてきます。

綺麗にメンテナンスされた農村歌舞伎舞台

淡河宿本陣跡の中の淡河えびす神社は2017年に地元の茅葺職人や宮大工さんによる新築されたものです。モダンなデザインで、触ってみると温かみが伝わってきて、茅葺きの良さがよくわかります。

斬新なデザインの淡河えびす神社

淡河には(株)KUSAKANMURIという茅葺き専門の会社があり、代表の相良育弥さんが若い職人さんを育成しながら、茅葺きの新しい可能性を伝統の創造として精力的に活動されています。葺き替えだけではなく、芸術作品を各地で発表され茅の新しい可能性に挑戦されています。

 

茅で作られたBE KOBEモニュメントが道の駅フルーツ・フラワーパーク大沢にできています。「神戸の茅葺き」をみんなに知ってもらうために「茅」を使ったようです。

茅で作られたBE KOBEモニュメント

 

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ではまた次回をお楽しみに♠️