今回はちょっとマイナー路線で。神戸の名所や観光スポットには入らないかもしれない。神戸市営地下鉄の大倉山駅から歩いてすぐのところ。小高い丘みたいなところに野球グランドもある公園。元は大倉喜八郎氏の別荘地だったところを神戸市に寄贈されたところから大倉山と名付けられ、大倉山公園として利用されている。
丘のてっぺんには、屋根付きのベンチがあり、そこからの眺めは良い。近所がぐるり一回りを眺めることができる。
この公園の特徴は各都道府県の森が公園内に点在しているところだ。鹿児島県の森には、阪神淡路大震災で亡くなった鹿児島県出身の人の慰霊碑がある。
ここまでは、普通の公園やねという話だが、やはりここにも歴史があるわけです。元々、大倉喜八郎氏の別荘だったが、主に初代兵庫県知事であった伊藤博文氏がここを利用し、ここからの景色をたいそう気にいってたそうな。大倉氏と伊藤氏は仲が良かったらしい。伊藤博文氏が 1909年ハルピンで射殺されたことを契機に、大倉氏は、この丘の上にに国会議事堂を模した台座を作り、その上に伊藤博文氏の銅像を作り、別荘と土地を神戸市に寄贈した。そして大倉山公園として開園した。
公園内に伊藤博文氏の銅像が残っていないのはなぜ? 第二次世界大戦中の金属供出で、何と銅像も。。。ということで台座だけが残っているわけです。戦争が無かったら、銅像も残っていたのでしょうね。戦争中は、丘の上には高射砲を設置する計画があったようで、おそらく台座も丘の上から移動されたものだと思います。
公園内には、他にも第60回の兵庫県統一メーデーの記念碑があったり、第二次世界大戦の神戸空襲の記録碑「いのちと平和の碑」がある。軍需工場地であった神戸が B29爆撃機による大規模空襲によって 8000人近い人の命を失っている。
公園の南にもこの大倉山の歴史に関係した建物がある。大倉山には、戦争が無ければ公会堂を建てる計画もあったとか。その計画が形を変えて「神戸文化ホール」になったと。生徒や学生のコンクールやフェスティバルに使われたりしていて、その役割を果たしていると言える。この神戸文化ホールは 50周年を迎える。
こんな街の公園ですら、歴史の中で形を変えながら、記録を残す役割をしてるんやなと感じました。
いいね。やっぱり神戸が好き。
もっと KOBE ずっと KOBE
ではまた次回をお楽しみに ♣
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今年の1月からはじめて、週1回の投稿を続けてきました。今回で 2023年最後の投稿になりますが、来年も同じようなペースで投稿していこうと思うので、よろしくお願いします。読者の皆さま、良いお年をお迎えください。