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はじまりは兵庫津(ひょうごのつ)から

神戸市営地下鉄海岸線の「中央市場前」から徒歩5分ぐらいのところにある兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアム。このミュージアムは「ひょうごはじまり館」と「初代兵庫県庁館」の2つで構成されている。

 

左が「初代兵庫県庁館」右が「ひょうごはじまり館」

 

こういう施設は、必要性が問われることがしばしばあると思うが、結論から言うと、ひょうごはじまり館の常設展示の兵庫津の歴史は見ておく価値ありです。壁面いっぱいに表現された展示にはストーリー性があり、とてもわかりやすい。古代から順に見て歩くだけでも、港を中心に発展してきた地元兵庫の歴史を物語として感じることができる。

 

入口すぐのところでは、地形の模型にプロジェクションマッピングを使って兵庫がどう変わってきたかを、平清盛足利義満伊藤博文が座談会形式で説明してくれる。おいおい、ちょっと無茶やろと思ったが、この3人が「ひょうごはじまり館」のキーマンであり、この展示が物語の導入部になっている。なかなか面白いエントリーだ。

 

つかみはこれでOK! (笑)

 

古代は、平安時代平清盛日宋貿易が大きく取り上げられている。大輪田泊と呼ばれた天然の港を修築して貿易港に。鎌倉時代には兵庫津(ひょうごのつ)と呼ばれてたようだ。

 

平清盛が見てたであろう夢が壁面いっぱいに描かれている

 

中世は、室町時代足利義満日明貿易で活躍。日本史の教科書では日明貿易の主な港は博多と堺と書かれていたように思いますが、兵庫津も活躍していたんですね。足利義満が兵庫津大好きやったんですね。8回もやってきたとか。

 

(左) 湊川の戦いもすぐ近所での出来事

 

戦国時代には滝山城から花熊城 (花隈って名前が変わったのはいつからなんやろ)、そして兵庫城と。

 

兵庫城はあまりよく知らなかった。(地元なのに。。。)

 

近世は、江戸時代の北前船の寄港として活躍。大阪から瀬戸内を通って日本海から北海道へ、帰りはその逆。その途中であちこちの港に立ち寄って、特産品を仕入れて売り買いする。面白くて、やりがいのあった商いだったにちがいない。兵庫津も寄港だったと。工楽松右衛門という高砂生まれの発明家が帆布を開発したそうだ。(それまでは何を使っていたんだろう?) 淡路生まれの高田屋嘉兵衛北前船の商売に乗り出し、その後はロシアとの国際問題解決に尽力したと。

 

江戸時代、港を中心に商いがさかんになったことがよくわかる

 

そして近代は、幕末から新政府誕生。京都から少し距離がある兵庫が開港。兵庫県が生まれ、初代県知事の伊藤博文の登場となる。ここで目をひく展示は、イギリスの外交官アーネスト・サトウ (佐藤愛之助) が神戸事件を語ってくれる映像。新政府が誕生した矢先の外交事件だ。そこに実際に通訳として立ち会った人間が等身大の映像で目の前で語ってくれる動画は作りモノとはいえ面白い。

 

兵庫の開港から鳥羽伏見の戦い、神戸事件と次から次に問題が

ひょうごはじまり館のメインであろう兵庫県誕生前後の歴史

 

明治に入ったら、神戸・兵庫のガイドブックとかもあったみたいだ。また、和田岬を避ける運河の築造については、以前にこのブログでも紹介したことがある。

 

poko2023.hatenablog.com

 

(左) 楽しそうなガイドブック (右) 2つとも明治を代表する土木工事

 

すぐ隣には、初代の兵庫県庁も再現されている。仮牢もあり、奉行所としての役割の名残りも感じられる。

 

この模型のとおり実物が再現されていました

りっぱな庭に比べて、小さな執務室

 

大人300円、高校生以下は無料なので、ひょうごはじまり館の兵庫津の歴史には触れておいても損はない。港を中心に発展してきた地元の文化・歴史をしっかり感じることができる。中学生の頃にこういう施設があったら、もうちょっと日本史の成績もましになっていたかも。。。

 

いいね。やっぱり神戸が好き。

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ではまた次回をお楽しみに ♣