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森のあじさい散策

5月下旬からあちこちでこんもりした姿が愛らしいあじさい。
6月下旬になると、街中のあじさいは少し色が褪せてきましたが、標高450mの神戸市立森林植物園ではちょうど見ごろを迎えています。

あじさいの時期にあわせて「森のあじさい散策」が催され、園内を1時間ほど歩きながらガイドさんからあじさいについて教えてもらいました。

額咲きとてまり咲き

あじさいの咲き方にはこの3種類があり、額咲きのあじさいを「ガクアジサイ」(写真 右)と呼びてまり咲きのあじさいを「アジサイ」(写真 中央)と呼ばれることが多いそうです。
てまり咲きは、玉咲きとも言われます。
円錐形に咲くあじさいは、花の部分が重いせいかうなだれて咲いています。(写真 右)


花のようで花でない⁉

小学校で習ったような気がしますが、
あじさいの花は花のようで花でないのです。


ええっ!そんな!お花の部分がそっちだったとは、、、
じゃぁ、てまり咲きは花じゃないってことなのかぁ~。
いえいえてまり咲きにも小さなお花が真ん中にちょこんとあります。

 

幻の花だったシチダンカ(七段花)

これがあじさい?と思うでしょ。
葉っぱも細身で花も小さくて間違いでは?と思うのも当然です。

幕末に日本のやってきたオランダ商館のシーボルト博士が帰国後、「フローラ・ヤポニカ」でシチダンカを紹介しましたが、六甲山の特産種だったこともあり人目に触れず130年もの間ひっそり限られた地域で咲いていました。

 

1959年に六甲山小学校の職員である荒木慶治さんが六甲ケーブルの西側でシチダンカを偶然見つけ、シーボルト博士が紹介したヒチダンカが本当に存在したことが確認されました。

これは私の想像ですがシーボルト博士は日本のあじさいの苗をこっそり持ち帰って、いろんな商人に売ったんだと思います。そのシチダンカの子孫が現在の西洋あじさいなんじゃないかなぁ。

あじさいは変身がお好き?


でも、額咲きのヒチダンカからなぜてまり咲きになるのか不思議。
あじさいが土壌の性質で色が変化することは有名ですが、品種改良がしやすい植物で意図しなくても、突然てまり咲きになることがあるそうです。
ただそういう変化を昔の日本人は忌み嫌い、悪いことがあるんじゃないかと心配してお寺に納めに行ったので、今日「あじさい寺」と呼ばれる名所がいくつもできたそうです。
厄介扱いされたあじさいが、現代では人気の花になるとは、、、



森林植物園であじさい三昧

 清楚なヤマアジサイ
 色鮮やでぷくぷくしたてまり咲きの西洋あじさい
 六甲山の花崗岩からの酸性土壌が生んだ六甲ブルー
園内には5万本350種ものあじさいが少しずつ時期をずらして咲いています。


あじさいの期間は、駐車場の近くの普段は園内の植物を育成していて関係者しか入れない「北苗畑」も森林アドバイザーさんが案内してくれます。

それと美味しい情報
期間限定で鈴蘭台の「鈴音菓子 のぼり屋」の出張販売をしています。
特に季節の餅菓子「あじさい餅」は、可愛いらしすぎて見てるだけでお腹がふくれそう。


おまけ

管理事務所の建屋の前あたりのメタセコイアの木々からあじさい坂へ向かうところにある池に向かって突き出た枝に、白い綿のようなもがついています。


なんとそれはカエルの卵を包んでいる泡。
夜な夜なメスのカエルが卵を産みつけ、オスのカエル数匹がそれを泡で覆うのです。
池の中には落ち葉しか見えないのですが、しばらくじっと見ていると落ち葉と同じ色をしたオタマジャクシが何匹も泳いでいるのを見つけられます。



初夏の六甲山であじさいを楽しむだけでなく、ちょっとおりこうさんになった気分。
 
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ではまた次回をお楽しみに♦

 

神戸市立森林植物園
〒651-1102 神戸市北区山田町上谷上字長尾1-2
TEL. 078-591-0253 FAX. 078-594-2324
https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/