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神戸の意匠に魅せられてー 「アイアンワーク」の面格子

 ヨーロッパの街角で見かける美しい門扉や、洗練されたインテリアのアクセントとして人々を魅了し続ける「アイアンワーク(ロートアイアン)」。神戸の街でも見かけることがあります。

 

アイアンワーク(ロートアイアン)って?

 あまり聞き馴染みの「ロートアイアン(Wrought Iron)」は、日本語で「鍛鉄(たんてつ)」を指します。
文字通り、鉄を火で熱して赤くし、ハンマーで叩いたり曲げたりして成形する技法、およびその製品のことです。この写真を見るとアレね、って思われると思います。

 現代の主流である「鋳物(いもの)」が、型に溶けた鉄を流し込んで作る「量産型」であるのに対し、ロートアイアンは職人が一つひとつ手作業で作り上げる「一点もの」。鉄という硬質な素材でありながら、植物の蔓のような曲線や、繊細なディテールを表現できるのが最大の特徴です。

 

ロートアイアンの面格子

 鉄でできているから長持ちしそうですが、古いものの多くは戦争中の供出や空襲で数少なくなっていますが、新しく作られたものもあります。ロートアイアンでいろんなものが作られていますが、今回は面格子に注目しました。

 面格子というと、本来は防犯を目的とした実用的な設備ですよね。

※下記の写真は、アルミ製

 鉄で格子というと、堅牢な防犯のイメージですが、そこに意匠が加わると機能だけでなく建物のアクセントにもなるんです。特にシンプルな石造りの外壁でも、窓のデコラティブな面格子があるだけで、建物全体に趣きが出ます。

初代アメリカ領事館があった「神戸メリケンビル」の1階の窓(下左)と付近のビルの面格子(下中・下右)

神港ビルヂングの面格子はお花のような繊細な模様

同じ神港ビルディングを南からみると上部に小さな塔のようなものが

面格子と言えるのかどうかわかりませんが、その部分の意匠が細やかな幾何学模様で逆光でなので模様がよく浮き上がります。

 

神戸市立博物館

光を受けて館の中から見える窓辺の表情

 

 特に古い建造物や海に近いアイアンワークは、海風による塩害に耐えてきた歴史でもあります。厚く塗り重ねられた塗装の質感は、丁寧で重厚な雰囲気を醸し出します。


 ロートアイアンの意匠には、植物の茎や葉をモチーフにした、しなやかな曲線美でクラシックなスタイルの「アール・ヌーヴォー様式」、南仏風の明るい外壁に合う、少しラフで温かみのあるデザインの「プロバンススタイル」、直線を組み合わせたシャープなデザインで、都会的ビルの窓辺にも馴染む「モダン・ジオメトリック」があります。
神戸で見かける模様は、幾何学模様に丸みを加味したような独特の模様を感じます。

ロートアイアンというタイトルにしましたが、多くは鋳型で作っているようなものの紹介ばかりになってしまい恐縮です。デザインの美しさに免じてお許しを。

 

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ではまた次回をお楽しみに ♦